ジェットガール

ときどき書きます

魔法少女まどか☆マギカ

雨かぜの日

昼ごろ外出したときにはすでに湿気まじりの生暖かい風が街路樹をざわざわと揺らしていた。見上げた空は薄暗く、凪ぐことなく流れる空気はいつもと違う雰囲気をはらんでいる。予報通り台風は今夜にもこの町を訪れるのだろう。天気というのはいつも勝手だと巴…

おなじみの夜

「それではさやかの失恋を記念しまして、乾杯! ほら、さやかも、マミさんも」 佐倉さんが高らかにそう告げ、手にしたジョッキを掲げる。隣に座った美樹さんにほらほらと促し、美樹さんはというと仕方なくつき合ってやるという風である。一瞬目が合ったとき…

イクラ

「ほら、力んじゃダメだよ、さやか」 恭介に優しく声をかけられて、さやかは言われる通りに身体の力を抜こうとする。けれど、恥ずかしくて、おかしくて、どうしても力が入ってしまう。 (ごめんね、次はもうちょっと上手くやるから) 恭介の部屋。さやかはこ…